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オーロラ:発生時の強風現象 情通研など初めて観測
2005年02月05日(土) sun.gif
  10,620 byte オーロラ発生時に台風並みの強い風が広範囲に吹いている現象を、独立行政法人・情報通信研究機構(東京都小金井市)と米アラスカ大が世界で初めて観測した。オーロラがよく出現する北極や南極はオゾン層破壊や温暖化が他地域に比べ顕著に現れるため、研究グループは今後、オーロラが地球環境に与えている影響を探る計画だ。
 オーロラは太陽から飛んでくる電気を帯びた粒子が、北極や南極の上空100〜400キロに分布している大気と衝突して発光する現象。極域では年間240日余り発生し、北海道でも年に数回、カムチャツカ半島付近まで南下した際に観測される。
 研究グループは、粒子が大きなエネルギーを持っていることから、地球の大気に変動を与えている可能性があると推測。オーロラの光を詳細に測り、発生している周囲の風速などを分析できる装置を開発し、03年2〜3月、米アラスカ州中部の300キロ離れた2地点で観測した。
 その結果、2地点ともオーロラを観測できたのは13日間で、オーロラの北側では宇宙に向かう風が、南側では地表方向への風が吹いていることが分かった。風速は平均で秒速約30メートルで、オーロラが発生している1〜2時間継続していた。
 同機構の石井守主任研究員(超高層大気物理学)は「太陽エネルギーが日中だけでなく、オーロラという現象を通して地球に持ち込まれていることを示している」と話す。
 



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