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世界で活躍するサックス奏者、渡辺貞夫誕生(1933〜)
2005年02月01日(火) snow.gif
  40,726 byteジャズの楽しさを日本中に広めたダンディ

 ジャズの楽しさ、格好良さ、素晴らしさを、日本人に幅広く伝えたのが、サックス奏者の渡辺貞夫です。宇都宮に生まれ育った彼を、ジャズの道に導いたのは、高校時代に見た映画『ブルースの誕生』の中の、クラリネットを演奏するビング・クロスビーの姿だったそうです。高校で楽器を始めるとメキメキと腕をあげ、卒業する頃にはプロのサックス奏者として活躍できるまでになりました。

 秋吉敏子のカルテットを経て、1962年、アメリカのバークリー音楽院に留学。チコ・ハミルトン、ゲイリー・マクファーランドらとの競演を通じ音楽の幅を広げます。65年に帰国すると自己のグループを率いて活発な活動を開始、日本のボサノバ・ブームの口火を切ることになりました。70年代には名アレンジャー、デイブ・グルーシンとのコンビで「マイ・ディア・ライフ」「カリフォルニア・シャワー」「モーニング・アイランド」などのヒット作を連発。ジャンルを超えて多くの音楽ファンの心をとらえます。また72年から19年も続いたFM番組「渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ」でも、ジャズの楽しさを幅広いリスナーにアピールしました。

 2000年5月には、カメルーン出身の注目のベーシスト/ボーカリストのリチャード・ボナと共同プロデュースによる待望の新作『SADAO 2000』を発表。6月にはそのリチャード・ボナを招き、レコーディング・メンバーによるツアー「SADAO2000」を敢行。毎年夏の恒例、自身のプロデュースするクラブ・イベント「KIRIN THE CLUB」は2000年で16回目を迎え、これまた毎年恒例で9回目となる「クリスマス・コンサート」では、ブラジル音楽をテーマにオーケストラと共演が話題を呼ぶなど、精力的な音楽活動を続けています。

 常にサムシング・ニューを求めてチャレンジを続ける渡辺貞夫は、世界中の若い才能を自己のグループに積極的に起用し、活躍の場を与えるとともに、95年からは自ら栃木県の中学生たちにリズム教育の指導も行い、音楽の楽しさを若い世代に伝えています。こうした世界的視野の音楽を通した文化交流への貢献が認められ、ロサンゼルス市民名誉賞、バークリー音楽院より名誉博士号、そして日本政府からは紫綬褒章が贈られました。

 さらに渡辺貞夫は、その飾らないダンディズムと気さくなキャラクターで音楽以外にも活動の場を広げ、テレビの取材旅行のレポーターやCMモデルとしてもお茶の間の人気者になっています。カメラマンとしての腕も玄人並みで、98年にはテレビの仕事で訪れ、深い感銘を受けたチベットをテーマに写真集「ヴァニシング・チベットを出版。2000年12月には6冊目となる写真集「One in the Same〜笑顔つなげて〜」を出版し、好評を博しています。
 



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