個別表示

自動車ショー:米デトロイトで開幕 ハイブリッド車に関心
2005年01月13日(木) sun-or-crowd.gif
  16,205 byte 【デトロイト(米ミシガン州)木村旬】世界の自動車メーカーが最新のモデルや次世代技術を競う北米国際自動車ショーが9日、デトロイトで開幕した。日本車の攻勢で苦戦が続く米国勢は、立ち遅れていたハイブリッド車を相次いで投入する方針を表明し、巻き返しを狙う。一方、先行する日本メーカーは、米消費者の好みに合うようにハイブリッド車の馬力をアップさせ、一段のシェア拡大を図る。世界最大の米国市場でハイブリッド車をめぐる日米の激しい攻防が繰り広げられそうだ。
■ビッグスリー
 ショー開幕日に発表された05年北米カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは、米2位のフォード・モーターが昨秋発売した「エスケープ」。米で人気のSUV(スポーツタイプ多目的車)に世界で初めてハイブリッドを搭載したことが評価された。
 受賞を弾みに攻勢をかけたいフォードは、SUV「マーキュリー マリナー」のハイブリッド版を当初計画より1年前倒しし、今年後半に売り出すなどハイブリッド搭載の4車種を3年以内に投入すると発表した。
 米最大手のゼネラル・モーターズ(GM)も、ダイムラー・クライスラーと共同開発で合意した次世代ハイブリッド技術の搭載車を07年から発売する方針で、SUV「GMC グラフィット」のハイブリッド試作車などを公開した。
■日本メーカー
 ハイブリッド車では独壇場だった日本勢だが、トヨタ自動車が今年4月までに投入する高級車「レクサス」のハイブリッド版は、従来の230馬力から270馬力にパワーアップ。ホンダが昨年末売り出したハイブリッド搭載の「アコード」も、240馬力から255馬力に上昇した。
 「米国の消費者からは高い燃費効率が注目されてきたが、加速などのパワーも備え、さらに魅力を増す」(日系メーカー幹部)のが狙い。米国トヨタのプレス執行副社長は9日の会見で「当社はハイブリッド市場をリードしてきた。今後も維持する」と強調した。
 トヨタは今年、ハイブリッド車「プリウス」の米市場での販売台数目標を昨年実績の2倍の10万台に引き上げ、ハイブリッド版「レクサス」も2万〜3万台を目指す。ホンダもハイブリッド版「シビック」と「アコード」を昨年の2倍の5万台近くを販売したい考えだ。
■高まる関心
 米市場のハイブリッド車の昨年の販売台数は約10万台とまだ小さい。だが、昨年の新車販売台数で日本車のシェアが前年比1・7ポイント増の30・5%と初めて3割台に乗せたのは、原油高で米国の消費者が燃費効率の高い日本車に流れたため。ハイブリッド車は、日本メーカーの好調さを示す象徴ととらえられている。
 9日付のデトロイトの地元紙も「ハイブリッドがショーの最前線に躍り出た」と関心の高さを伝え、日米のシェア争いが注目される。
 一般公開は15〜23日。期間中に80万人以上の来場者が見込まれている。
 【ことば】ハイブリッド車 ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた環境技術車。価格は割高だが、ガソリン車に比べて燃費効率が高く、ガソリンの消費量が少ない。トヨタが97年、世界初のハイブリッド量産車「プリウス」を発売した。次世代低公害車の本命である燃料電池車の開発には時間がかかるとされ、ハイブリッド車の存在感が増している。
 



- Web Diary Professional ver 2.28 -