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日本、宿敵韓国に大激戦の末、劇的逆転勝利!
2003年11月03日(月) sun.gif
   日本が宿敵の韓国にフルセットの大激戦の末、3-2で劇的逆転勝利。
 開幕3連勝を飾った。
 9月のアジア選手権に続く勝利で、96年アトランタ五輪以降では初めての
 韓国戦連勝。世界大会初体験の栗原恵(19)が最終セットで好打連発、
 勝負を決めた。最高の形で東京ラウンドを終え、
 5日からは強敵が控える名古屋へ。
 3位以内に与えられる来年のアテネ五輪出場権獲りへ、日本の勢いは、
 もう止まらない。

 栗原が決めた。W杯史上に残る激戦にケリをつけた。最終セット。
 韓国を突き放す8点から12点目、すべて決めた。
 次々と猛打を突き刺す。サービスエースも飛び出した。
 日本に大きな大きな1勝をもたらしたのは、
 まだあどけなさの残る19歳だった。

 「とにかくうれしいです! 思い切って打ちました」。
 第1セットを取られたものの第2セットを接戦の末に取り返し、
 第3セットを奪われる大ピンチを第4セットで追いついて、
 どうにかしのいだ。最終セットも一時は6-7とリードを許したが、
 そこから逆転。奇跡のヒロインは、魔女っ子メグちゃん。
 取りも取ったり計30得点。大会3日目、ようやく心の底からの
 笑顔が輝いた。

 世界大会初出場。大会前から両親に電話できなくなった。
 話せば泣き崩れそうな重圧。抱え込んで、つぶされそうだった。
 救ってくれたのは、先輩たちの励まし。
 「フォローするから、思い切って打てばいい」。
 高校時代は線が細かったが、筋トレでパワーアップした。
 この日、先輩たちを信じて、思い切り打ち込んだスパイクは、
 最高に力強かった。
 赤ん坊のころから、ママさんバレー選手の母・厚子さん(47)に
 抱かれて、球の動きを追っていたバレーの申し子。
 大一番で、潜在能力がフル開花した。

 日韓バレー史を塗り替えた一戦。「この試合で歴史を変えたい」。
 柳本晶一監督(52)は考えていた。五輪順位が韓国上位に逆転した
 アトランタ五輪の予選以降、連敗続きで、連勝はなし。
 「どこかで、苦手意識が芽生えたんだと思う」(柳本監督)。
 苦節を乗り越え、ついに連勝した。「続けて勝てば、逆に韓国に
 苦手意識を持たせられる」。これからも、アジアの宿敵として、
 大事な局面で当たるはずの韓国。もう怖くない。

 序盤最大のヤマ場を最高の形で突破した。
 名古屋では、イタリア、米国と強敵が控えるが、
 今、日本の勢いは最高潮。勝てる。
 「どこのチームが相手とかじゃなく、精いっぱいやっていきたい」。
 短い言葉に、栗原は決意を込めた。単なる1勝ではない。
 価値無限大の1勝。いよいよ、アテネへの追い風が吹いてきた。
 



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