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ヒーローはベンチの最前列に出て鳴りやまない拍手に応えた。 米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜選手が19日、 ニューヨークのヤンキースタジアムで行われたマーリンズとの ワールドシリーズ第2戦で本塁打を放った。 ワールドシリーズでは日本人選手初の本塁打となった。 1回2死一、三塁、カウント0−3から中越えに打った。 打球は中堅の約124メートルのフェンスを越えて自軍ブルペンの 前にライナーで入った。試合開始時の気温は約8・8度。コートの 暗色で埋め尽くされたスタンドが歓声とともに揺れた。
熱狂的ファンが集まる右翼席では、日本語のボードを掲げた日本人に 米国人ファンが抱きつき跳びはねる。立ち上がったファンは 「マツイ」コールを繰り返して座らない。
次打者のポサダが打席を外すと、松井がベンチの最前列に出て ヘルメットを取り、その手を振った。 3回、松井が打席に向かうとき、いつものビートルズの曲は かからなかった。 中堅の大型ビジョンに巨大な岩石を投げるゴジラの映像が 映し出され、バックには鳴き声が。 満員の観客がまた立ち上がった。 18日に初戦を落としたヤンキースはこの日、6−1で快勝。 だが、試合後の松井は大げさに喜ぶことはなかった。 まだ先がある。「(マーリンズの本拠地の)フロリダで いい試合をして、勝利を重ねていきたい」。 その表情には本拠地での連敗を免れ、 1勝1敗のタイにした安ど感が漂っていた。(ニューヨーク共同) |
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