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パナソニック、テスラと車用電池工場
2014年02月27日(木) rain-or-crowd.gif
  21,749 byteパナソニック、テスラと車用電池工場
米に建設、1000億円投資 車両価格、ガソリン車並みに

 パナソニックは米電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズと共同で、米国に電気自動車向けの電池工場を建設することで最終調整に入った。国内の複数の部材メーカーにも参加を呼びかけており、総投資額は1000億円を超えるとみられる。2017年の稼働をめざす。日米の主力メーカーが協力し、大量生産でコスト低減が進めば、環境性能に優れるEVの普及に弾みがつきそうだ。

 パナソニックとテスラは材料から電池の心臓部であるセル、組み立てまでを一貫して手掛ける「電池コンビナート」型の工場を建設する計画。パナソニックやテスラ、材料メーカーなどが同じ敷地内にそれぞれの生産拠点を構える。自動車向けでは世界最大規模の生産拠点となる見通し。

 小型軽量のリチウムイオン電池を生産する。テスラが自社のEVに搭載するほか、トヨタ自動車など他社への供給も検討、家庭用蓄電池などへも用途を広げ、コスト低減を進めるとみられる。

 テスラは03年設立のEVベンチャー。米ナスダック市場に上場し、パナソニックやトヨタが出資している。主力セダン「モデルS」は環境性能とデザインが支持され14年は前年比で55%増の3万5000台を販売する計画。さらにSUVを14年中に発売するほか、17年ごろの発売を目指して新型EVを開発している。

 現在、米国での最低価格は約7万ドルだが、新型は3万5000ドル程度で販売し、一段の普及を目指す。EVは原価に占める電池の割合が大きく、販売価格を引き下げるカギを握る。新工場立ち上げでガソリン車に匹敵する価格帯の実現を狙う。

 パナソニックは、13年3月期まで2期連続で7500億円超の最終赤字を計上。プラズマテレビの撤退など構造改革に取り組んできた。自動車向け事業を成長分野の一つに位置付けており、テスラとの共同生産で販売を伸ばし、反転攻勢に弾みを付ける狙いだ。

 EVでは日産自動車が「リーフ」を世界累計で10万台販売。シェア首位の45%を握る。電池と車両を生産する米テネシー州の工場では最大約1500億円を投資、うち半分強を年20万台分の電池生産にあてる計画を表明している。三菱自動車も「アイ・ミーブ」を販売中。独BMWやフォルクスワーゲン(VW)も発売するなど新規参入が続く。

 日産はNECと共同出資の電池メーカー「オートモーティブエナジーサプライ」から電池を調達。パナソニックもトヨタと共同で「プライムアースEVエナジー」を運営している。三菱自は三菱商事やジーエス・ユアサコーポレーションとの共同出資会社から調達しており分野を超えた協力関係の構築が進んでいる。

日経朝刊より抜粋
 



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