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ボーカル・グループ、テンプテーションズが代表曲「マイ・ガール」をレコーディング(1964)
2004年12月21日(火) crowd.gif
 
テンプテーションズと作者スモーキーの名を不滅にした名曲

 “テンプテーション=誘惑”という名前をもつ、黒人男性5人組ボーカル・グループ、テンプテーションズ。甘く美しいハーモニーと洗練された身のこなしで、実に30年以上に渡ってその名の通り音楽ファンを誘惑し続けています。1965年から89年の間に彼らが放ったR&Bトップ10ヒットは43曲、うち14曲がチャート1位に輝きました。こうした息の長い活動の中でメンバーも幾度となく変わっていますが、ファンの間で印象が強いのは63年〜68年の初期のメンバーでしょう。当時はテナーが元プライムズのエディ・ケンドリックスとポール・ウィリアムズ、バリトンが元ディスタンツのオーティス・ウィリアムズ、バスが同じくメルヴィン・フランクリン、そしてバリトン・テナーが1963年に加入したデヴィッド・ラフィンでした。そしてラフィンがメイン・ボーカルを歌ったこの曲「マイ・ガール」によって、彼等は一躍トップ・スターとなったのです。

 64年12月21日に録音され、翌年1月16日にビルボード76位に初登場、3月6日付でトップに立ったこの曲は、彼等にとってだけでなく、モータウン・レーベルの男性ボーカル・グループにとっても初の全米No.1ヒットでした。しかしこの曲はもともとテンプテーションズのために書かれたものではなく、作曲家/プロデューサーで自身もモータウンを代表するアーティストの一人であるスモーキー・ロビンソンが、自分のグループ、ミラクルズのために書いたものでした。楽曲の素晴しさに惚れ込んだテンプテーションズが、ぜひ自分たちに歌わせてくれとスモーキーに頼み込んだのです。そして皮肉にもスモーキーは、自分では歌わなかったこの曲によって、ボブ・ディランに「スモーキー・ロビンソンこそアメリカの偉大なる詩人」と言わせるほどの高い評価を受けたのでした。
 



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