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イーグルスのジョー・ウォルシュ誕生(1947〜)
2004年11月20日(土) rain-or-crowd.gif
 
“キレてるヤツ”? ジョークの好きなジョー・ウォルシュ

 アメリカ建国200年を迎えた1976年にリリースされたアルバム『ホテル・カリフォルニア』は、ロック・バンド、イーグルスの代表作。中でも人気があるタイトル曲「ホテル・カリフォルニア」は、アメリカン・ドリームの終焉をテーマにした辛辣な歌詞と、美しいツイン・ギターの絡みが印象的なナンバー。このギターを弾いている二人が、作曲者でもあるドン・フェルダーと、ジョー・ウォルシュその人なのです。

 すでにソロ・アーティストとして人気があったウォルシュは、75年にバニー・リードン(ギター&ボーカル)の後釜としてイーグルスに参加。そして参加後初のアルバム『ホテル・カリフォルニア』が77年グラミ−賞の最優秀レコード賞を獲得し、ウォルシュのギターを大きくフィーチャーした同アルバムからのシングル「駆け足の人生」のヒットも相まって、“イーグルスのジョー・ウォルシュ”の名は一挙に広まりました。一方でソロ活動も続け、イーグルス在籍中の78年にリリースされたアルバム『ロスからの蒼い風』はウォルシュ初のミリオンセラーを獲得。特にシングルカットされた「この人生に賭けて」は、ハードなギターリフのイントロから一転、アコースティックギターの爽やかなストロークが聞こえ、歌に入るとほのぼのとしたレゲエに変化する不思議な曲調で、彼のユーモラスな雰囲気にマッチした大ヒットになりました。

 そう、ウォルシュを語る上で欠かせないのは、そんな彼の一風変わったユーモア感覚だといえるでしょう。プールの中で食事を楽しんでいる『ロスからの蒼い風』のジャケットに代表される、奇抜なジャケットデザインや人を喰ったような彼の表情。有名なところでは80年、アメリカ大統領選に出馬し、当時ステージでも“I'm The President”と書かれたバッジを胸につけてプレイしていました。このようなジョーク感覚と、ステージでのお客に媚びない泰然としたプレイぶりから、ジョー・ウォルシュ=“おかしなヤツ”“キレてるヤツ”というイメージが作られていったのです。

 82年のイーグルス解散後も、『ガット・エニ−・ガム?』『オーディナリー・アヴェレージ・ガイ』などコンスタントにソロアルバムを発表する一方、89年にはリンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドに参加。ウォルシュのジョーク感覚とリンゴのとぼけた魅力とが溶け合った愉快なバンドが生まれました。また94年にはイーグルスを再結成し、日本公演を含むワールドツアーを敢行。再結成アルバム『ヘル・フリーゼス・オーバー』には今だ変わらない、魅力的なジョー・ウォルシュのプレイが収められています。
 



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