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国際的に活躍するフルート奏者、工藤重典誕生(1954〜)
2004年09月26日(日) sun.gif
  パリのエコール・ノルマル教授として、後進の育成も

 金色のフルートを携えて、パリを拠点に世界中を飛び回る工藤重典。札幌に生まれ、10歳のときからフルートを始めた彼は、その頃初来日した“フルートの帝王”ジャン・ピエール・ランパルの演奏を聴き、大きな影響を受けます。その後、桐朋学園大学音楽科に進みますが馴染めず中退。単身パリ音楽院へと飛び立ち、尊敬するランパルに師事します。パリ音楽院では演奏の腕は一級だったものの言葉のハンディのため、卒業まで2年余計にかかってしまうという経験も。しかし、23歳のときパリ国際フルートコンクールで見事第1位を獲得。翌年から国立リール管弦楽団で首席奏者をつとめ、31歳で退団してソリストの道へと進みました。

 以後、世界の30以上の名門オーケストラや、チェロのロストロポーヴィチ、ソプラノのジェシー・ノーマンら名だたるソリストと共演するなど、国際的な活動を展開。小澤征爾ひきいるサイトウ・キネン・オーケストラの首席奏者としても活躍しています。99年にはデビュー20周年を迎え、記念リサイタルを開催。隠れた名曲を披露するなどレパートリーを広げながら、フルートの魅力を聴衆にアピールし続けています。また、自身が経験し勉強してきたものを伝えたいという思いから、パリのエコール・ノルマル(※)の教授として音楽家の卵の指導にもあたる、多忙な日々を送っています。

 そんな工藤の子供時代は、スキーが大好きな少年でした。札幌に生まれて自然にスキーを始め、小学生の頃からジャンプが得意。大会では何度も入賞し、本気でジャンプの選手になることを夢見たそうです。中学時代もフルートを学びつつ、スキー部員として大活躍。高校受験をきっかけに音楽の道を選びましたが、スキーは今も最高の趣味だとか。フランスの雄大なスキー場で、家族そろってバカンスを満喫することも多いそうです。

※エコール・ノルマル:フランスには大学とは別系統のエリート養成機関があり、文部省管轄のエコール・ノルマルもその一つ。入学選抜はきわめて厳しく、大学入学資格(バカロレア資格)取得後、約2年間の準備課程を経て入学試験に合格しなければならない。

★工藤重典ホームページ= http://kudoshigenori.com
 



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