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イタリアのテノール歌手、マリオ・デル・モナコ誕生(1915〜1982)
2004年07月27日(火) crowd.gif
  黄金のトランペットと異名をとった大スター

 マリオ・デル・モナコは、現在の3大テノール(パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラス)が活躍する一時代前の1950年代から60年代にかけて、一世を風靡したテノール歌手です。フィレンツェに生まれ、早くから歌の才能を現し、13歳でオペラに出演。20歳のとき、有名な指揮者、セラフィンの招きでローマ歌劇場の研究所に入りますが、第二次世界大戦のため23歳から軍隊生活を送り、そこでも名歌手のレコードを聴きながら独学で歌の勉強を続けます。兵役は7年間に及びましたが、理解ある上官に恵まれ、25歳のときに軍人の身分のまま「蝶々夫人」のピンカートン役でデビュー。退役後、31歳のときにミラノ・スカラ座の舞台に立ったことをきっかけに、国際的な活動を始めました。

 オペラ歌手としては絶頂期の46歳のとき、交通事故に遭って重傷を負い、再起不能とまでいわれました。しかし、徹底的に摂生した生活を続けることで少しずつ回復し、数年で見事にカムバックを果たしました。以後も彼は節度ある生活を守り、オペラ公演の2日前からまったく声を出さず、公演後も声帯を守るために読書と休養に当てていたといわれています。そうした努力のかいあって、「黄金のトランペット」と言われた彼の輝かしく朗々と響く声は、61歳で引退するまで変わらぬ魅力を放っていました。ヴェルディのオペラ「アイーダ」のラダメス役、同じく「オテロ」のオテロ役など、強い声の必要な、男らしい役柄を最も得意としていました。
 



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