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私は昭和〇〇年生まれだが、小学校の給食はすでにあった。 脱脂粉乳の時代ではないが、アルミ製の食器に先の尖ったスプーンで、皆、同じものを食べた。 給食にはルールがあって、決して残さないこと、おかずと牛乳を交互に食べて、パンは持ち帰ってもいいことになっていた。時間内で食べること、そして、私語はしてはならなかったので、おいしいともまずいとも言ってはならなかった。 たまらずに、「まずくて食べられない」という子がいると、「せっかく作ってくださったもの、感謝して食べなさい」ときつく言われた。いまからいうと、贅沢かもしれないが、当時のパンは中がパサパサしていて、喉に詰まりそうだったし、牛乳もコクがない水っぽいものだった。 いつしか、給食のルールが、家庭でも同じようになり、なんでも黙って食べるようになった。 大人になって、初めて、グルメと言うものを知り、お金を出せば本当に美味しいものが食べられることを知った。 そして、「美味しい」と、言って食べることが料理店では、喜ばれることを知った。作る側のことも考えるようになった頃である。 今は、おかげさまで、新しい食材を手に入れて薄味で料理するととても美味しいと思えるようになった。 そして、作ってくれた人に感謝しながら「美味しい」といって、食事ができることに感謝している。 おそらく今の給食はもっと改善されて美味しくなっていると思う。食べる人のことを思って、考えられた献立はいつの時代も愛情に満ちているからである。 |
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