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「バイエル」の著者、フェルディナント・バイエル没(1803〜1863)
2004年05月14日(金) sun.gif
   ピアノを習ったことのある人にはおなじみの「バイエル」ピアノ教則本。この本の著者が、フェルディナント・バイエルです。ドイツで活躍した作曲家でありピアニスト、そして教育者でもありました。彼は、ピアノ用の小品の作曲や、当時流行していた管弦楽曲やオペラの旋律などのピアノ用編曲で知られていました。ピアノ以外の作品も書いていたそうですが、残念なことにそれらはほとんど忘れられ、この教則本だけが今でも使われています。

 この教則本の原題は「ピアノ奏法入門書」といいます。明治時代(1880)に、音楽取調掛(東京芸大の前身)がピアノ教材として取り入れたことが日本で広まるきっかけになりました。その時に輸入された15種類75冊の楽譜のうち、20冊がこの教則本だったといいます。それらはすべて英語版だったので、当時は英語風の発音で“バイアー”とか“バイヤー”と呼ばれたこともあります。

 教則本の内容は、初歩の楽典からはじまり、楽譜の読み方、指の動かし方などピアノの基本的な奏法を、106曲の練習曲によって段階的に学べるように工夫されています。原著は、1844年ごろ発行されたといわれ、バイエルと並んでピアノ教則本で有名なツェルニーは、「もっとも完全で実用的な教則本である」と太鼓判を押しています。
 



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