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アメリカのカントリー歌手、ウィリー・ネルソン誕生(1933〜)
2004年04月30日(金) sun.gif
  不遇の60年代の後、カントリーを革新して大スターに

 カントリー・ミュージックの生き神様といわれる、テキサス出身のウィリー・ネルソン。幼いころ両親が離婚して祖父母に育てられ、ギターの手ほどきも祖父から受けて7歳ですでに曲を書き始めました。兵役の後、21歳でラジオ局のDJをはじめ、夜はクラブで歌う生活を続けます。そんなある日、わずか50ドルで他人に譲った自作の曲がレコード化されヒットを記録したことから、自分でレコードを出そうと決意。61年にカントリー・ミュージックの聖地ナッシュビルに移り住み勝負に出ます。しかし彼の鼻にかかった声、ジャジィな歌い方を認めてくれるレコード会社はあまりなく、しばらくはソングライターとして活動。62年にようやくデビューにこぎつけたものの、ほとんど売れずに私生活でも破産。さらに離婚、家が火事で全焼するなど、さんざんのうちに60年代が過ぎていきました。

 しかし72年、テキサスに戻ったネルソンのリベンジが始まります。レオン・ラッセル、クリス・クリストファーソンらと“プログレッシブ・カントリー”を標榜し、ナッシュビルの旧来のカントリー勢との対決姿勢を打ち出したのです。これが十年一日のカントリー曲に飽き飽きしていたファンはもちろん、ロック上がりの若いリスナーをも巻き込んだブームとなり、ついに75年、アルバム『赤毛のよそもの』から「雨の別離」が大ヒット。グラミー賞の最優秀カントリー男性歌手賞を受賞し、スターとして認知されるに至ったのです。

 80年代初めからは俳優としても活躍しながら、ポピュラー、ジャズ、カウボーイ・ソング、ホンキートンク、ロックン・ロール、フォーク、ブルースなど、幅広いジャンルの音楽を取り入れつつ個性的な音楽を制作。ベスト盤を含めると現在まで200枚を軽く超えるアルバムをリリースしており、まさにカントリーの生ける伝説となっているのです。
 



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