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ジャズ・ドラマー、スティーブ・ガッド誕生(1945〜)
2004年04月09日(金) sun.gif
  完璧なテクニックと歌心を兼ね備えた“ドラマーの中のドラマー”

 テクニカルなジャズと親しみやすいロック/ポップスの要素を融合させた“フュージョン”という音楽スタイルは、70年代に誕生して以来、多くのファンの耳を虜にしてきました。その発展を支えたのが、やはり多くの優れたミュージシャンたちであることは疑うべくもありません。ここに紹介するスティーブ・ガッドは、その中でも最重要人物と呼ぶにふさわしいプレイヤーです。

 1945年にニューヨーク州ロチェスターで生まれた彼は、ドラマーであった叔父の影響で幼いころからドラムに親しみ、音楽大学で打楽器を専攻。20代半ばからプロのセッション・ドラマーとしての活動を始めました。現在までに共演したミュージシャンは数知れず、主なところではチック・コリア、グローヴァー・ワシントンJr、ジョージ・ベンソン、アル・ジャロウ、デヴィッド・サンボーン、スティーリー・ダン、アル・ディメオラ、ポール・サイモン、マンハッタン・トランスファー、渡辺貞夫など。その一方で、スタッフ、マンハッタン・ジャズ・クインテット、自身が率いるガッド・ギャングといったグループ活動も行っています。最近では、昨年惜しくも他界したジャズ・ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニのトリオにおける名演や、エリック・クラプトンのツアー・メンバーとしてのプレイが記憶に新しいところです。

 リズミカルな躍動感と滑らかな流れを合わせ持った彼のプレイは、多くのドラマーに影響を与えています。特に、ツブ立ちの揃ったオープン・ロール(1拍の中でいくつ音を出すのかをハッキリと決め、左右のスティックでそれぞれ2つずつ交互に叩く奏法)は、ガッドの独壇場といえるでしょう。また、長年にわたりヤマハのドラムを使い続けていることでも知られており、彼ならではの締まった音色は、ヤマハ・ドラムサウンドの代名詞としても定着。97年には、彼の全面協力の下に開発された、スティーブ・ガッド・シグネイチャー・スネアが発売されています。
 



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