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シンガー/女優として活躍する、ダイアナ・ロス誕生(1944〜)
2004年03月26日(金) sun.gif
  肉親の悲報にもめげずステージをこなすプロ根性に脱帽

 「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」がテレビ・ドラマに使われ、日本でもファンの多い女性シンガー、ダイアナ・ロス。1960年代には、「ストップ・イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ」や「ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン」の大ヒットで、モータウン・レコードのドル箱的存在だったシュープリームスの中心メンバーとして活躍。ソロとなってからも、1981年のライオネル・リッチーとのデュエット「エンドレス・ラブ」を筆頭に、多くのヒットを放っています。映画界にも進出し、1972年には『ビリ−・ホリデイ物語』で優秀主演女優賞にノミネート、『ウィズ』では主役ドロシーを熱演しました。

 1996年の7月に、彼女は日本のNHKホールでコンサートを行っていますが、その時、彼女は自身のプロ根性を示す次のようなエピソードを残しています。コンサート直前の彼女の元に、弟夫婦が他殺体で見つかったという悲報が飛び込んできました。二親等以内の肉親が亡くなった場合、コンサートは無条件でキャンセルできる契約でしたが、彼女はこの悲報を日本の関係者のだれにも明かさず、ステージに立ったのです。そして、彼女は見事にその日のステージをこなします。さすがに当時日本でヒットしていた「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」を歌う時には、涙でその歌声を詰まらせましたが、事情を知らない聴衆は、温かい拍手で彼女を声援し、歌の結びで彼女が「for you and…」とささやくと、聴衆が静かな熱い合唱で「…I!」と返したのです。

 「私にとって、日本は特別な場所よ。」終演後、彼女は関係者にそう語ったそうです。あくまで自身の口からは弟夫妻の悲報を明かさず、ただ「肉親に悲しい出来事があり、聴衆の温かさに触れて涙が出てしまったのよ。悲しくて寝つけそうもないから、今夜は私が眠くなるまで徹底的につきあってね。」と、関係者一同を都内のすし店に招いたということです。
 



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