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フセイン元大統領供述で旧政権幹部ら拘束
2003年12月15日(月) sun-or-crowd.gif
  【バグダッド=緒方賢一】イラク駐留米軍は15日、イラク中部アッドールで拘束したフセイン元大統領に対して、本格的な聴取を始めた。AP通信によると元大統領は供述を始めており、既に旧政権の幹部数人の身柄拘束につながった。

 聴取は、イラク国内で相次ぐテロに元大統領がどこまで関与しているかが焦点で、有力な情報を引き出せるかどうかが、連合国や国際機関、イラク警察への攻撃を阻止するカギとなる。

 米当局者によると、フセイン元大統領に対する聴取は、反米武装勢力による爆弾テロなどへの関与に加え、〈1〉旧フセイン政権ナンバー2で、アッドール出身のイブラヒム革命指導評議会(RCC)元副議長の行方〈2〉生物・化学兵器のありか――が重点。米政府は、戦争捕虜の処遇などを定めたジュネーブ条約に基づき、「集中的な聴取」を行う方針だ。

 元大統領の所在について米軍は「安全な場所に移した」とするのみで、AFP通信はバグダッドに、米CNNテレビはカタールに移送されたと伝えた。

 フセイン元大統領の拘束後、同元大統領と面会した統治評議会のムワッファク・ラビアイ氏は本紙と会見し、元大統領が「逃亡中、捜索から逃れるため多くの時間を穴蔵の中で過ごした」と語ったことを明らかにした。食糧調達など身の回りの世話は元大統領と一緒に拘束された2人のイラク人が担当したという。

 ◆拘束時、米兵に「交渉したい」◆

 一方、米陸軍第4歩兵師団は15日、アッドールでの拘束の際にフセイン元大統領が米兵に対して「交渉したい」と持ちかけてきたことを明らかにした。これに対して米兵は、「ブッシュ大統領から『よろしく』とのことだ」と取り合わなかった。(読売新聞)
 



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