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指揮者/作曲家、山本直純誕生(1932〜2002)
2003年12月16日(火) sun-or-crowd.gif
  自らテレビに出演してクラシックの大衆化に貢献

 指揮者/作曲家であった父、山本直忠のもとで幼時から音楽の英才教育を受けた山本直純。斎藤秀雄の愛弟子で、小澤征爾と同期生でもあります。1967年のNHKテレビ番組『音楽の花ひらく』の指揮で名を知られ、72年から11年続いたTBS系『オーケストラがやって来た』では、自ら幹事をつとめる新日本フィルハーモニーを率いてエネルギッシュな指揮を披露。そのざっくばらんなおしゃべりと肩の凝らない企画で、クラシック音楽の大衆化に大きく貢献しました。また大阪で年末行事として定着している「1万人の第九コンサート」では、83年の第1回から企画と指揮を担当。98年の第16回ではトランペッターの日野皓正をゲストに招き、ジャズ風に味付けした第九を熱演。合唱団には元大関のKONISHIKIも参加し、話題を集めました。

 作曲家としてもクラシックから放送音楽、映画音楽、CMソングまで幅広く活躍。よく知られた作品としては、映画『男はつらいよ』シリーズの同名の主題歌、テレビ『マグマ大使』の主題歌、幼児向けの音楽で「こぶたぬきつねこ」「一年生になったら」など。また68年の某チョコレートのコマーシャルでは自ら出演もし、そのCMソング「大きいことはいいことだ〜」は流行語にもなりました。まだ生まれてなかった方のためにこのCMを説明をすると、富士山を背景に、気球に乗った山本直純が身を乗り出してタクトを振るい、それに応えて1500人の合唱団が「大きいことは〜」と高らかに歌う、という気宇壮大なもの。氏のおおらかさと、高度成長時代の日本の勢いがマッチした、忘れられないCMということができるでしょう。

 氏の家庭は二人のご子息も指揮者/作曲家とチェロ奏者という音楽一家で、そのよき父親ぶりが評価されてか、86年には日本ファーザーズ・デイ委員会が選定する“第五回ベスト・ファーザー賞”にも選ばれています。
 



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