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長嶋ジャパンが“ゴジラバット”導入
2003年10月28日(火) sun.gif
  アテネ五輪予選を兼ねた「アサヒビールチャレンジ アジア野球選手権2003」
(31日開幕、札幌)の直前合宿が27日、福岡市内でスタートした。
ここで長嶋茂雄監督(67)が“ゴジラバット”の導入を即決。
ヤンキース・松井秀喜外野手(29)が使用するメープル(楓)材質のバットがそれで、大会使用球に適した材質をミスターが瞬時に見抜いたものだ。

疑問を抱いたら直ちに動く。細かい観察力、そして鋭い洞察力。
日本シリーズがクライマックスを迎えた同じ福岡で、長嶋監督が注目したのは選手が使用するバットだった。

「国際球は大きくて目が粗いので。レギュラーシーズンの感触とはちょっと違います。バリー・ボンズが使っている(メープル)バットはどうでしょう。松井君(西武)はもう使っているみたいですが」。
初夏を思わせる暑さの中、ミスターが手に取ったのは2本のバット。
1本は公式戦で使用するアオダモ材のバット、もう1本は用具メーカーが用意したメープル材バットだった。

材質の感触と質感を確かめるため、手のひらでバットをたたき、耳を寄せる。
そして大会使用球でティー打撃。3球打っただけで、その動物的な勘は“メープル導入”の答えを導き出した。

まな弟子の活躍がヒントだった。世界一を争ったヤ軍・松井の使用バットがまさにメープル。一般的に日本選手が多く使用するアオダモ材より硬く、反発力があるのが特徴だ。メジャーではボンズ(ジャイアンツ)らアーティストを筆頭に広く普及している。

「しっとり感」のある日本プロ球界の公式球と比べ、「乾いた感じ」のする大会球はメジャー使用球に近い。コンマ数秒ながらバットとボールとの接触時間が短い分、反発力のあるメープルがより最適といえる。

長嶋監督は練習中、直ちにメーカー側に発注を依頼した。ヤ軍・松井のバットを手がけるM社担当者は「すぐに養老工場(岐阜)に電話してみます。
ただ、木の在庫があるかどうか。すぐに確認してみます」と即座に“ゴジラバット”の緊急製造を要請。早ければ一両日中に手元に届く。

日本シリーズが終了。28日からはダイエー&阪神勢も合流し長嶋ジャパン22戦士が勢ぞろいする。2枚しかないアテネ切符。
野球ファンの視線は日の丸部隊に注がれる。(サンケイスポーツ)
 



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