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燃料電池自動車
2003年10月27日(月) sun.gif
  燃料電池自動車の開発をいち早く表明したのはダイムラーベンツ(現ダイムラークライスラー)です。
同社は1994年に、ミニバンサイズのNecarI(ネカーワン)を開発、その後1996年にミニバンサイズのNecarIIを、1997年に乗用車サイズのNecarIIIを開発しました。
 
ダイムラーベンツは、2004年の実用化を目指して開発を継続しています。
ダイムラーベンツに燃料電池自体を供給しているのは、
カナダのベンチャー企業「バラード(Ballard Power Systems)」です。
同社はもともと潜水艦用に固体高分子型(PEM)燃料電池を開発してきた企業で、その小型化のノウハウを活かして、自動車用の燃料電池を開発しています。
  
ダイムラーベンツは1996年にバラードに出資し、燃料電池連合(Fuel Cell Alliance)を組織しました。
このダイムラーベンツの動きに触発され、世界の自動車メーカーの燃料電池自動車開発に火がつきました。
日本でもトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ技研工業が 2003〜2005年の実用化をターゲットに、燃料電池自動車の開発を進めています。
このような新規の自動車開発には、膨大な開発コストが必要です。
米国では1993年以来、エネルギー省とビッグスリーが中心となって、燃費80mpg(80マイル/ガロン≒34Km/リットル)のハイブリッド車を開発するプロジェクト「PNGV(Partnership for a New Generation
 of Vehicles)」が進められてきましたが、1997年より燃料電池自動車も開発対象に含めることになりました。
一方EUでも欧州企業を中心として、燃料電池自動車を開発するプロジェクト(FEVERプロジェクトとCAPRIプロジェクト)が実施されました。
自動車メーカーはこのような政府のプロジェクトに参加するだけではなく、独自に他の企業との提携を模索する動きが現れるようになってきました。
  
まず1997年にフォードが、ダイムラーベンツ=バラードの燃料電池連合に参加することを表明しました。
その後1998年にダイムラーベンツとクライスラーが合併したので、ビッグスリーのうちの2社が同じ連合として燃料電池に取り組むことになりました(しかし、ダイムラーとクライスラーの合併以来、フォードは再び
独自路線を志向するようになったといわれています。)
一方のGMも、トヨタと広範囲に技術提携することを発表しています。
日産自動車は関連会社となったルノーと共同して、燃料電池自動車を開発する意向です。
そのルノーは、同じフランスの自動車メーカーである
プジョー=シトロエンと、共同の燃料電池自動車開発プログラムを、EUの資金援助を得て進めています。
他の欧州企業(FIAT、BMW、VW)やホンダは、現在のところは独自に燃料電池自動車の開発を進めています。
 



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