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G・F・レイルロードの「アメリカン・バンド」が全米1位に(1973)
2004年09月29日(水) rain.gif
  たった3人で世界一デカい音を出したマッチョなバンド

 70年代前半、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルといったイギリスのハード・ロック勢に、アメリカで唯一対抗する存在だったのがグランド・ファンク・レイルロード。ギター&ボーカルのマーク・ファーナー、ドラム&ボーカルのドン・ブリューワー、ベースのメル・サッチャーによって結成され、69年にデビューした彼らは、「ハートブレイカー」「アー・ユー・レディ?」「孤独の叫び」といったヒット曲を連発し、デビューから1年でレコードの売り上げが1000万枚を記録するという快挙を成し遂げます。

 特に、“驚異の暴走列車”のキャッチフレーズの通り、3人という最小編成ながらワイルドで大音量のライブは圧巻。メンバー自身が「我々にとって大事なのは、デカい音を出すことだけだ」と言い放ったそうですが、当時ギネス・ブックにも「最も大きい音を出すバンド」として記録されたほどでした。デビュー時にレッド・ツェッペリンの前座を務めた際は「(あまりの音のデカさに)ツェッペエリンが驚愕した」との伝説を残し、また71年、後楽園球場で行われた初来日公演では、降りしきる豪雨と雷をものともせず、すさまじい演奏を披露。新聞の社会面で取り上げられるほどの衝撃を与えたことは、今でも日本のおじさんロック・ファンの語り草となっています。

「でっかいことは良いことだ」という、まさにアメリカ的マッチョ美学の持ち主だったグランド・ファンク・レイルロード。74年には名前をグランド・ファンクと簡略化し、その名も「アメリカン・バンド」というシングルを発表します。“オレたちゃアメリカン・バンド、パーティーはシラけさせないぜ!”と、街から街へタフなツアーをこなすバンドを歌った、実にファンキーで汗くさいハードなナンバーですが、これがアメリカ人気質に見事にマッチしたようで、彼らにとって初めての全米ナンバーワン・ヒットとなりました。
 



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