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「こどもの日」のいわれ
2004年05月05日(水) sun.gif
   「こどもの日」は、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」という趣旨の下、1948年に制定された国民の祝日の一つ。5月5日に定められたのは、古くから伝わる年中行事「端午(たんご)の節句」と無関係ではないでしょう。

 端午の節句の歴史は、古代中国にまでさかのぼります。中国には月と日の数字が重なる日を厄日として供え物をする風習があり、これを受けて奈良・平安の貴族社会でも、5月はじめ(端)のうま(午)の日に、軒に菖蒲やよもぎを差し、菖蒲湯や菖蒲酒を飲んだりする厄除けの会が催されていました。やがて武家社会になり、供え物は兜、槍、武者人形などの飾りへと変化。江戸時代以降は、男の子の誕生と健やかな成長を祝う節句としていっそう広まり、庶民のアイデアから和紙の鯉を飾る習慣もはじまったといわれています。

 ところで、立身出世の関門を「登竜門」といいますが、端午の節句に欠かせない「鯉のぼり」も、中国の黄河上流の急流「竜門」を登った鯉は竜になる、という伝承にちなむもの。わが子の出世への願いが込められています。また、歌にある「マゴイ(真鯉)」は、色のついた「ヒゴイ(緋鯉)」に対してふつうの黒い鯉を指す呼び方で、明治時代からとりまぜて立てられるようになりました。五月の青空に舞う「鯉のぼり」の雄姿は、いつ見ても気持ちが晴れ晴れとしてきますね。

「鯉のぼり」
作詞作曲不詳/文部省唱歌(五年)

甍(いらか)の波と雲の波
重なる波の中空を
橘かおる朝風に
高く泳ぐや鯉のぼり

開ける広き其の口に
舟をも呑まん様見えて
ゆたかに振う尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり

百瀬(ももせ)の滝を登りなば
忽(たちま)ち竜になりぬべき
わが身に似よや男子(おのこご)と
空に躍るや鯉のぼり

「コイノボリ」
日本教育音楽協会作詞・作曲(『ヱホンシャウカ(ハルノマキ)』より)

ヤネ ヨリ タカイ コイノボリ、
オオキイ マゴイ ハ オトウサマ、
チイサイ ヒゴイハ コドモダチ、
オモシロソウ ニ オヨイデル。
 



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