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ロシアの作曲家、ニコライ・リムスキー=コルサコフ誕生(1844〜1908)
2004年03月18日(木) sun-or-crowd.gif
  「シェエラザード」で知られるオーケストレーションの達人

 リムスキー=コルサコフは、ロシア国民音楽の確立に尽力した「ロシア5人組」のひとり(他の4人は、バラキレフ、キュイ、ムソルグスキー、ボロディン)。彼は、生来の異国情緒好みと、海軍士官として各地に航海した経験から、エキゾティックな音楽を得意としました。またオーケストレーションが巧みで、さまざまな色彩感あふれる音色を、管弦楽から引き出すことに成功しています。

 リムスキー=コルサコフといえば、何といっても交響組曲「シェエラザード」が有名です。タイトルの“シェエラザード”とは、アラビアン・ナイト=千一夜物語に登場する絶世の美女の名前。そのストーリーは、「王シャーリアールは、妻の不貞により女性不信に陥り、国中の娘を一人ずつ呼びつけては一夜をすごしたのちに殺してしまおうと誓う。しかし、美しく聡明なシェエラザードは、王を惹きつける物語を千一夜語り続けて命を長らえ、ついには改心した王の后になる。」というものです。

 リムスキー=コルサコフは、美女シェエラザードを、独奏バイオリンの奏でる甘美な旋律で浮き彫りにしています。また、王の主題は、重々しく威厳にあふれたもの。曲は、この2つの主題を軸に、シェエラザードの語る胸躍る物語の内容を描写しつつ進んでいきます。

「シェエラザード」をテーマにした音楽は、ラヴェルもシマノフスキも作曲しています。しかし、リムスキー=コルサコフより魅力的な音楽は、大作曲家のラヴェルにも書くことはできませんでした。
 



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