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サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」初演(1886)
2004年03月09日(火) sun-or-crowd.gif
   フランスの作曲家でピアニスト、オルガン奏者でもあったシャルル・カミーユ・サン=サーンス(1835〜1921)は、クラシック音楽のあらゆる分野にたくさんの作品を残しました。組曲「動物の謝肉祭」は最も知られている曲の中のひとつです。

 ゆかいな亀や象の表現、はては化石やピアニストまで“動物”として登場するこの曲は、友人のチェリストが主催する、謝肉祭の最終日に開く音楽会のために作曲されました。サン=サーンスとしては軽い気持ちで書いた、皮肉やユーモアたっぷりの、一種のおふざけだったのです。当時51歳の彼は、すでに作曲家としての地位を確立しており、また天文学や音響学、哲学にも詳しい教養人としても知られていました。そのプライドもあったのでしょう、仲間内のために書いたこの曲の楽譜を出版することを、なかなか許しませんでした。

 14曲からなるこの組曲のうち、13曲目のピアノ伴奏付きチェロ曲「白鳥」だけが生前、出版されました。しかし彼の死後すぐに全曲が出版され、多くの人に演奏されて、人気を集めていったのです。
 



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