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<F1日本GP>◇決勝◇12日◇三重・鈴鹿サーキット (1周5・807キロ)◇参加20台、完走16台◇曇り ◇観衆15万5000人 フル参戦の来季、念願の表彰台を期待させる走りだった。 佐藤琢磨(26=BARホンダ)が鈴鹿で2年連続入賞を果たした。 予選13位から順位を上げ、6位。
ジョーダン所属だった昨年の5位に続きポイントを獲得した。 F1レースに戻った佐藤が、地元コースの鈴鹿で堂々と チェッカーフラッグを受けた。 1年のブランクを感じさせなかった。
予選13位も、開始早々にウィルソンを追い抜く。 シューマッハー兄弟に後尾に張り付かれても譲らない。 13周目には同僚バトンに続き、3位も走った。
レース後半は入賞圏内をキープ。40周目に6位に上がると、 そのままゴールに飛び込んだ。 昨年5位の感動入賞の再現だった。佐藤はマシンを降りると 大歓声の観客に向かい思いっきり手を振った。 「レースが楽しかった。昨年以上に、すごく大きな入賞です。 やっぱりレースはいい」。ビルヌーブの欠場で突然、 めぐってきた復帰戦。チームは製造者部門5位がかかっていた。 1点でも多くポイントを稼ぐという重圧もあった。 だが、周囲の心配をよそに、落ち着いていた。
テストドライバーを務めてきた今季のもどかしさをすべて 吐き出した。「テストはバトルがなくて楽しくなかったから…」。 その言葉通りにバトルも演じた。7周目にM・シューマッハーと接触。 相手がフロントウイングを破損し後退したのも気づいていなかった。 「必要以上にブロックする気がなかった。何も知らず、 相手に(総合優勝)おめでとうって声をかけて、初めて知った」。 予想された雨も降らず「天候にも助けられた」と笑顔で感謝した。
バトン(4位)とともにチーム今季初のダブル入賞を果たした。 ホンダの中本ディレクターは「予想以上の走り。 タイヤの状態などペース配分がしっかりできていた」と高く評価。 来季は再び、正ドライバーとしてフル参戦する。 「今回はボーナスのようなもの。来年に生かしたい」。 11月にはテスト走行も始まる。鈴鹿での2年連続の入賞は来年に しっかりつながる。【佐藤智徳】(日刊スポーツ) |
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